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「つけびの村」(高橋ユキ)を読んで

読書の感想です。
*極力ネタバレしない範囲で、個人的感想や感じたことを書いていきます。

やけやま不動産、代表の甲斐です。

つけびの村」(高橋ユキ)を読みました。

感想

これぞノンフィクション極みではないかと思う本でした。

法で裁くことが目的であれば、客観的資料を集めて、ミクロな視点から判断した方が、条文に照らし易く、最終的には判決に導きやすいものだとは思います。

ただそこには、法的な観点からの資料と高度な法解釈があり、そのような知識がない一般の方にとっては、ただ切り取られたニュースからのみ、事件の概要を知ることだけにとどまります。

なぜあのような凶行があったのか、法的には無意味でも、警察による捜査を超える調査や聞き取りを行うことによって、より深く事件を知ることができる点にノンフィクションの醍醐味はあると考えます。

そうは言っても、書き手の個性はあり、同じ事件を扱っても、手法は異なりますので、私は読むノンフィクションの作品を選ぶ際は、筆者から選ぶようにしています。

この事件を薄く知っている人も多いのではないかと思いますが、これは決して人ごとではなく、私の実家(九州の田舎)にも起こりうる可能性を感じました。

今後の少子化や人口減少が進んだ日本では、至る所で限界集落が生まれ、そこでの人間関係によるトラブルは、すでにはじまっていると思わされました。

そのトラブルの原因としての人間関係は想像できますが、本書では、もっと深いところを追っていきます。

何事も、起こる原因は一つではないと思いますが、警察による捜査は法で裁くことを目的としていますので、ごくごく一部にしか過ぎないのだと思わされました。

中でも私がもっとも興味があったのは、氏神様に関わる編でした。

氏神様の扱いや、神社の役を、事件の根本的な原因とする考え方は非科学的ですし、客観性に欠けると思いますが、私にそのような視点は全くなかったので、その話を削除せず残した筆者と出版社に感謝しています。


やけやま不動産では、不動産に関すること、地域のこと、代表の日々のことについてブログ発信も行なっていますので、ご興味ありましたら、是非ご一読ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。