主にNetflixやAmazon Prim Videoなどで観た映画、ドラマの感想です。
*極力ネタバレしない範囲で、個人的感想や感じたことを書いていきます。
やけやま不動産、代表の甲斐です。
映画「FUJIKO」を観ました。
感想
普段、映画を観るのはほとんどサブスクですが、年に一、二本くらいは、映画館で観てみたいと思う作品に出会うことがあります。
半年とか一年待てば、いずれ家でも観ることができる作品が多い中、本作は予告を観て、すぐに観てみたいと思いました。
上映されている映画館を調べてみると、広島ではサロンシネマ1・2で期間限定、しかも午前10時10分からのみの上映でしたので、少しハードルが高かったのですが、なんとか時間をつくって観に行くことができました。
私がこの映画を観たくなった理由の一つは、舞台となっている1970年代後半が、私自身が生まれた頃と重なっていたからです。
映画の中で富士子が娘の麻理を産み、育てていく時期は、ちょうど私の母が私を育てていた頃でもあります。
そのため、富士子の姿を観ながら、当時の時代や、私の母が過ごしていた時間についても考えました。
今では数十年前のことであっても、その頃の出来事はニュースやインターネットを通じて知ることはできます。
しかし、その時代に実際に生きていた人が感じていた空気感までは、なかなか知ることができません。
本作では、1977年の静岡を舞台に、富士子が娘の麻理を出産するところから物語が始まります。
母になったばかりの富士子は、実母や義母、義姉など、周囲の人たちに振り回されます。
それでも、シングルマザーとして麻理と過ごし、子供を育てていく中で、人に救われ、人を頼りながら、少しずつ強くなっていきます。
1970年代後半の日本は、今よりもシングルマザーに対して厳しい社会だったのだと思います。
そのような時代の中で、富士子は何度も追い込まれながらも、その瞬間、その瞬間を全力で生きて切り開いていきます。
また、富士子は一人で全てを解決していくわけではなく、困ったときには人を頼り、助けてもらい、そしてまた前へ進んでいきます。

その姿を観ながら、私自身のことを振り返りました。
この歳になるまで、私は本当に追い詰められて人に救われるような経験や、誰かに心から頼るという経験を、あまりしてこなかったのではないかと思いました。
人に頼ることは、若い頃よりも歳を取るほど難しくなるような気がします。
仕事でも家庭でも、自分でできることが増えていく一方で、「自分でなんとかしなければ」と思うことも増えていきます。
しかし、本当は、自分一人の力だけで切り開いてきたと思っていることでも、実際には、その時々に出会った人や、助けてもらった人、何気なく掛けてもらった言葉などが、どこかで自分を支えてくれているのだと思いました。
人生には、いくつかのターニングポイントがあり、その時にいた場所や、自分の立場、そして出会った人によって、その後の人生が変わっていくことがあります。
その時には、それが人生の転機になるとは分からなくても、何年も経ってから振り返ると、「あの時がそうだったのか」と思い出すことがあります。
本作を観終わって、そんな過去のことをいくつか思い出しました。
そして、映画館を出てすぐに聴きたくなったのが、globeの「FACES PLACES」でした。
この曲が発売されたのは1997年。
私自身は10代後半で、当時はこの歌の意味はあまり分からず、人生についても今ほど深く考えてはいなかったと思います。
それでも、今聴いてみると、当時の自分や、その頃に出会った人たち、過ごしていた場所などが少しずつ思い出されます。
映画を観て、富士子の人生を追いながら、自分自身のこれまでの人生まで振り返ることになったからかもしれません。
そして、もう一曲、無性に聴きたくなったのが、アレサ・フランクリンの「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」でした。
富士子が誰かに救われたり、誰かを頼ったりしながら、それでも自分の人生を自分で生きようとする姿を観ていると、この曲が頭に浮かびました。
人は、一人で強くなるわけではないのだと思います。
誰かに支えてもらったり、誰かを頼ったり、時には誰かに迷惑をかけたりしながら、それでも自分の人生を歩いていく。
そして、あとになって振り返ったとき、その時々に出会った人たちや、過ごした場所、聴いていた音楽などが、自分の人生の一部として残っている。
それはつまり、強さよりも自然体であることの方が大切で、人としての魅力が深まっていくのではないかとも感じました。
「FUJIKO」は、富士子という一人の女性の人生を描いた映画ですが、私にとっては、自分自身がこれまで歩いてきた人生について考える映画でもありました。
今の自分だからこそ観ることができて、今の自分だからこそ感じることができた映画だったのだと思います。
映画館まで観に行ってよかったと思える作品でした。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
