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映画「ある一生」を観ました

主にNetflixやAmazon Prim Videoなどで観た映画、ドラマの感想です。
*極力ネタバレしない範囲で、個人的感想や感じたことを書いていきます。

引用元:シネマトゥデイ

やけやま不動産、代表の甲斐です。

映画「ある一生」を観ました。

感想

人の一生にはさまざまなことが起きると一口に言っても、道半ばの私に、将来どのようなことが待ち受けていて、それをどう乗り越えていくのかまでは分かりません。
ただ、少なくとも人生を終えるときに「幸せだった」と思いたい、という極めて素朴な願いだけは、ずっと手放さずに持っています。

本作は、アルプスで生きた一人の男の一生を、静かになぞっていく映画です。

孤児として働き、
ただひたすら労働を続け、
やがてささやかな幸福を得て、
そしてそれを失い、
また働いていきます。

こうして書いてしまうと、驚くほど説明的で、「どこにでもある人生」のように見えてしまいます。
けれど、実際に描かれる時間は、そうした要約を軽々と裏切っていきます。

雪の中で単調な作業が続き、
誰もいない山の風景が広がり、
言葉数の少ないやり取りのなかで、確かに何かが交わされていきます。

いわゆる物語的な起伏は決して多くありませんが、不思議と目を離すことができません。
むしろ、その起伏の少なさが、この作品の強度を支えているように感じられます。

この映画はいわゆる「わかりやすい感動作」ではありません。
涙を誘導するような親切さも、人生を肯定してくれる分かりやすい台詞も、ほとんど用意されていません。

それでも観終わったあと、なぜか背筋が伸びていきます。
自分の人生に対して、少し姿勢を正さなければならないと感じさせられます。

人の人生を「成功」という視点で捉えると、何かを成し遂げたのか、誰かに称えられたのかという基準で判断してしまいがちです。
ただ、その「成功」には運が大きく作用しているとも思います。

どれだけ努力しても届かないものもあれば、偶然手に入ってしまうものもあります。
そう考えると、「運」によって左右される成功をもって人生を総括することには、どこか違和感があります。

むしろ人生は、日々どのようなことを考えながら過ごしてきたのかという積み重ねによって、静かに層を重ねていくものではないかと感じました。

内側から見た自分の人生は、自分の思考と切り離すことができません。
一方で、他人の人生は、会話や映画を通して断片的にしか知ることができませんし、その断片は本人の受け取り方とは異なっていることも多いはずです。

この作品の主人公エッガーもまた、自分の内面を多く語りません。
だからこそ、彼が何を感じ、何を考えていたのかを完全に理解することはできません。

それでも、彼の人生をたどったあと、こちら側に残るものがあります。
それは明確な答えではなく、人生とはおそらくこういうものなのだろうという感覚です。

エッガーの人生を「成功」という基準で測ることはできませんが、彼が幸せだったのかという問いを持つことはできます。
そしてその問いは、最終的に自分自身へと返ってきます。

自分はこれからどのように生きていくのか。
どのような日々を積み重ねていくのか。
最後にどのような気持ちで自分の人生を振り返るのか。

この映画は、それらの問いを静かに差し出してきます。
派手な映画ではありませんが、確かに残り続ける作品だと感じ、今の私が観れてよかったと思いました。


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最後まで読んでいただきありがとうございました。