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中古住宅売買における「建物状況調査(インスペクション)」について

やけやま不動産、代表の甲斐です。

広告に出ている中古の戸建住宅を買おうと思っても、一般の方はその住宅の状態など、詳しいことがわからず、判断が難しい場合があります。

詳しくは、木造住宅の耐用年数について〜なぜ30年で解体、建て替えられるのか〜をご一読ください。

目次

建物状況調査(インスペクション)とは

建物状況調査(インスペクション)とは、売主・買主がより安心して中古住宅の取引ができることを目指して行われます。

スクラップ アンド ビルド(建てては壊す)と言われるような、日本の中古住宅の状況を見直すための動きの一つとして、用いられるものです。

国土交通省「既存住宅の購入を検討されるみなさまへ

調査項目や、どのような報告書が作成されるかは、調査会社によって異なりますが、概ね、

・建物の傾き
・不同沈下(建物が不ぞろいに傾く状態)の可能性
・継続していると思われる雨漏りの形跡
・著しい施工不良の有無
・構造耐力上主要な部分の著しい損傷
・躯体の腐食・変形の有無
・屋内給排水管の著しい劣化、漏水やその形跡
・詳細な調査を行う必要のある箇所の有無

が調査されます。

建物を壊すことなく、現状によって住宅の状態を判断する、いわば、住宅の健康診断のような調査となります。

建物状況調査(インスペクション)のメリット

中古住宅を取引する際、専門家によって、あらかじめ建物の調査が行われることによって、売主にとっても引き渡し後のトラブルを防止したり、調査を行なった物件として、他の物件との差別化を図ることができます。

また買主にとっても、安心した中古住宅の取引を行うことができ、不具合箇所や今後不具合が生じてくる箇所をあらかじめ把握しておくことで、メンテナンス計画が立てやすくなるメリットがあります。

宅建業法による建物状況調査(インスペクション)の説明義務

宅建業法では、媒介契約締結時、重要事項説明時、売買契約締結時に、建物状況調査(インスペクション)に関する、調査会社のあっせんの可否、結果報告等を行うよう義務化されています。

建物状況調査(インスペクション)の課題

建物状況調査(インスペクション)を行うことにより、売主・買主がより安心して中古住宅の取引ができ、中古住宅の流通を促進すための試みですが、2018年の導入以降、現在では普及しているとは言い難い状況ではあります。

費用負担

まず、費用負担の点について、調査にかかる費用をどちらが負担するかという問題があります。

現在では購入希望者(買い手)が自己負担で行われていますが、調査を必要としない買い手もいます。

そのため、調査自体には、売主側にもメリットがあるとしても、あらかじめ、売主が自ら費用を負担して調査するという流れにはなりにくい現状もあります。

タイミング

買い手側の視点

契約した後に調査を行う場合、もし不具合が見つかったとしても契約解除を行うことは困難となります。

また購入申し込み以前に行うと、他の申込者に売却された場合は、費用が無駄になってしまうこともあります。

そのため、買い手が行う調査のタイミングとしては、購入申し込みを行って、契約までに調査を行うのが理想的となります。

買い手にとって理想的な調査のタイミング(買い手が費用負担)

売り手側の視点

もし買い手側の負担で調査を希望しても、契約前であれば、調査の結果によっては、契約に至らない場合もあることが考えられます。

そのため、売主側としては、わざわざ住宅の欠陥を探すようなことはしたくないのが心情とも言えます。

しかし、後からクレームが発生したりするリスクも考慮すれば、調査自体は売主にとっても有益なものとなります。

販売開始時点で売主負担で調査が行われていれば、「建物状況調査(インスペクション)済み物件」として、他の物件との差別化を図ることができます。

不動産売買において、売り手側の負担として、測量費や仲介手数料があるのと同じように、調査の費用も織り込むことへの理解が進めば、今後は売り手負担によって、販売開始前に調査が行われていくことも予想されます。

売り手にとって理想的な調査のタイミング(売り手が費用負担)

インスペクションの範囲

インスペクションはあくまで民間機関の任意の調査ですので、調査の範囲によっては、買い手が求める調査内容ではない場合もあります。

売主は住宅としての評価も加えて売却を検討しても、買い手は土地を評価し、解体を前提として購入を検討する場合、調査費用は無駄となります。

そう考えると、最低限の調査を売主があらかじめ行って販売し、買い手がより詳しい調査を希望した場合、買い手負担で調査を行うことが経済的なのかもしれませんが、二段階で調査を行う手間と費用と時間を考えると現実的でもないのかもしれません。

まとめ

インスペクションの意義と課題を解説してきましたが、インスペクション自体は、中古住宅の安心した取引と流通の促進を目指しているもので、有意義なものと思われます。

中古住宅の広告媒体に「建物状況調査(インスペクション)済み」と記載され、公的な調査報告書があれば、買い手の購入検討を後押しするものになるのではないかと考えます。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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