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映画「関心領域」を観ました

主にNetflixやAmazon Prim Videoなどで観た映画、ドラマの感想です。
*極力ネタバレしない範囲で、個人的感想や感じたことを書いていきます。

引用元:シネマトゥデイ

やけやま不動産、代表の甲斐です。

映画「関心領域」を観ました。

感想

アウシュビッツ収容所の隣に住む所長ルドルフ・ヘスとその家族の日常が描かれています。

自分に与えられた任務を忠実に遂行することが評価される社会では、その任務そのものへの疑問を持たない者の方がうまく立ち回れることは理解できます。

言われたことを行なっていれば評価され、その方が楽で人としての活動の評価基準がわかりやすいということは理解でき、その世界への憧れは私自身の中にも少しあります。

それは学校とか、利益を追求しないような組織内での評価に似ている気がします。

しかしその評価は、学業の成績向上を目指す一方で、横でいじめがあっても無関心であったり、自分の仕事にだけ関心があって隣の同僚の仕事には興味がないという悪い面からの個人主義であるとも考えます。

そのような評価の世界は社会主義的思想となじみ、個人レベルでみれば他人への無関心という形で現れるのではないかと思いました。

本作はタイトルで表現されているとおり、ルドルフ・ヘスが関心のある領域が描かれている映画であって善悪は描かれていません。

本作にストーリーはなく、ルドルフ・ヘスとその家族の日常が描かれているだけなのですが、時折聞こえてくる悲鳴や煙などから、壁の向こうで何が行われているのかという恐怖や不安を感じました。

しかしそれは、私が壁の向こうで何が行われているのかを既に知っているからこそ感じる恐怖であり、ルドルフ・ヘスやその家族は、壁の向こうに関心はなく、目の前の昇進や生活にだけ関心を持っている姿に私は恐怖を感じたのだと思いました。

私はその恐怖のような感覚を現代日本からも感じることがあるのを思い出しました。

ただ今の日本は社会主義的価値観がそれほど深く浸透していないためか、他人の無関心をみた時には「怒り」を感じるに止まることが多い気がします。

今後日本で社会主義的価値観がもっと浸透すると怒りの向こうに社会や政治への恐怖が待っているのではないかと想像してさらに恐怖は増しました。

個人レベルで考えれば、多くの人が自分の仕事への本質を見失い、ルドルフ・ヘスのように「これは仕事だから」と割り切っていく社会になるほど社会主義的価値観は浸透を深めていくのではないかと感じました。

ナチ党は国民・民族を優先する社会主義(国民社会主義)とされ、いわゆる旧ソ連のような国家が主導する社会主義とは異なるとされているようですが本作からその違いを見出すことはできませんでした。

ヒトラーの思想やコロホースへの知識や理解が圧倒的に不足している状況で観ましたので、私は本作の深い表現を理解できたのか疑問はありましたが、ありそうでなかった切り口で本作を観て考えることができてよかったです。

クラシッククロームの色合いと水平垂直の構図、広角気味の画角から、より本作の世界観を感じることができました。


やけやま不動産では、不動産に関すること、地域のこと、代表の日々のことについてブログ発信も行なっていますので、ご興味ありましたら、是非ご一読ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。