主にNetflixやAmazon Prim Videoなどで観た映画、ドラマの感想です。
*極力ネタバレしない範囲で、個人的感想や感じたことを書いていきます。
やけやま不動産、代表の甲斐です。
映画「Joker/ジョーカー」を観ました。
感想
私は2020年頃に本作を一度観ていましたので今回二回目でしたが、妻が観ていなかったということで一緒に観ました。
忘れているところもあったので、新たな視点で観ることができました。
人が、追い詰められたり、裏切られたりして絶望を感じ、未来への希望も失ったときに出る凶暴性は自分を守ろうとする防衛本能の一種で、その矛先は他人に向かったり、自分に向かったりすることがあるというのは、私自身にそのような経験はなくても理解はできます。
本作の冒頭からアーサーは、人を笑わせたいのに笑わせられなかったり、笑うところではないのに笑ってしまったりしますが、それを一言でコメディアンとしての致命的な才能のなさや得意な性格と括ってしまうことはできないと感じてしまいます。
いくつかのアーサーにとっては大切なことに裏切られたと感じるような出来事も重なって、彼の凶暴性が次第に剥き出しになっていきます。
アーサーの孤独や願望と現実のギャップの葛藤を観ると、アーサーへの共感をもつ自分に気付き、それは私自身も他人事ではない、同様の葛藤を抱えているからこそ共感するのではないかと思い自分が怖くなりました。
本作は特に日本でも話題となりましたが、孤独と現実へのギャップを抱える人が同様にアーサーへの共感をもったのではないかと思いました。
また、どのように暴動が起こっていくのかという流れの点からも興味深く観ることができました。
日本は政治的にも社会的にも不満が溜まって、SNSなどインターネット上では激しい言葉が投げられますが、実際には暴動は起きないし、多くの人は従順に社会に適合しています。
それは実社会では孤独であり、コミニュケーションが少なく、共有できる仲間がいないということの表れで、一人では何もできないという、本作の舞台にも共通していることなのだと思いました。
しかし、アーサーのようなものが現れ、一度何かのきっかけで暴力が生まれると、ピエロの仮面をかぶったままではありますが、一種の連帯感のようなものが生まれて過激さを増していきます。
日本人も同じだと感じ、現在の増税や物価高、政治不信などによって溜まった不満も、一人誰かの行動をきっかけに、匿名性や仮面があれば、大きな暴動につながっていく可能性もなくはないと感じました。
普通はカメラが固定されるようなシーンでも、本作では画角がゆっくりと動き、それは対象への集中と客観的な状況を表現するのは効果的で、現実にそこにいてアーサーを観ているかのような錯覚もあって、作品に入り込むことができたのだと思いました。
やけやま不動産では、不動産に関すること、地域のこと、代表の日々のことについてブログ発信も行なっていますので、ご興味ありましたら、是非ご一読ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。